神戸学院大学

東日本大震災等の被災地支援活動

2月15日(金)~2月18日(月) 学生ボランティア派遣 報告書

本ボランティアバスは「ひょうごボランタリープラザ」との共同開催です。

このボランティアは、赤い羽根『災害ボランティア・NPO活動サポート募金』の助成を受けて実施しました。

標記の件、下記のとおり報告いたします。

プログラム名 宮城県災害支援学生ボランティアバス(大学主催)
日程 2013年2月15日(金)~18日(月) 3泊4日(2泊は車中泊)

行程・内容

2月15日(金)(神戸学院大学有瀬キャンパスKAC)

16:45 KAC112F教室集合、事前研修会
19:00 KAC 15号館前にバス到着、備品等積み込み
19:30 KAC 出発。バスにて宮城県へ―バス車中泊―

2月16日(土)

08:00 沿岸部視察(閖上地区)30分程度
09:00 名取市の仮設住宅(箱塚屋敷:180世帯)で活動
活動時間:午前の部(10:30~12:00)、午後の部(13:00~15:00)
活動内容:①支援物資配布 ②お手玉雛づくり ③雪かき ④子どもと遊ぶ
15:00 活動終了、後片付け
17:30 松島町フットボールセンター
―就寝前に、振り返り、翌日活動打ち合わせ―

2月17日(日)

07:00 朝食 ~寝具の片付け、部屋の掃き掃除、トイレ・風呂・洗面台の掃除~
08:00 宿泊施設出発
09:00 沿岸部視察(門脇地区)
10:00 石巻市の仮設住宅(南境団地)で活動 (第4・第5の集会所に分かれて活動)
活動時間:午前の部(10:30~12:00)、午後の部(13:00~15:00)
活動内容:①仮設住宅生活マップ配布(石巻専修大学8名と協働)、②お手玉雛づくり ③子どもと遊ぶ 他
15:00 活動終了、後片付け
16:00 現地の銭湯で入浴 入浴後個室にて活動成果の振り返り
18:00 銭湯を出発、神戸へ―バス車中泊―

2月18日(月)

8:00 KAC112F帰着 学生、備品等のおろし
8:30 活動の振り返り、事後研修会 体をほぐす体操
9:30 解散

参加者

本学学生18名 一般申込み10名、ボランティア団体5名、防災・社会貢献ユニット3名
石巻専修大学学生8名
引率者2名 神原 文子(神戸学院大学 人文学部 教授)
濱田 敏和(神戸学院大学 KPC学生支援グループ 職員)
現地派遣者1名 四宮 千佳子(神戸学院大学 社会連携グループ コーディネータ)

活動詳細

2月15日(金)事前研修会

  • 活動前の最終確認作業、班分け、学生ひとりひとりの役割分担作業、当日の作業の流れについて話し合いを行った

事前研修会の様子

2月16日(土)名取市

《沿岸部の視察》

  • 活動前に沿岸部、甚大な被害を受けた閖上中学校の視察を行った(閖上地区)
  • 日和山から被災状況を視察し、展示されていた震災当時の写真などから当時の様子を確認した
  • まもなく震災から丸2年となるが、少なくとも、ここ閖上地区では、復興のきざしが見えないと感じた(引率感想)
地震が発生した時刻で時計が止まっている
閖上中学校
閖上地区沿岸部
閖上地区沿岸部

《名取市仮設住宅 箱塚屋敷団地》

名取市仮設住宅 箱塚屋敷団地付近地図
名取市仮設住宅 箱塚屋敷団地付近地図
  • 約160世帯の方が居住されている
  • 集団移転ではなく、様々な地域から集まってできた団地。自治会があり、集会所も活発に活用されている
  • 少しずつ転出する世帯が増えている様子。空き住戸が出始めている
支援物資配布、ひな人形作り、雪かき等
  • 全戸にサプリメントの配布(NGO団体からの寄贈)と、子どものいる家庭に文房具の配布(社会福祉協議会からの寄贈)を行った
  • お手玉雛は、2013年1月17日(阪神・淡路大震災の日)のイベントにおいて、神戸市民の方々にお内裏さまを作っていただいた。そのお内裏さまと対になるお雛様を住民の方々に作っていただき、神戸と宮城を繋ぐ企画として学生が準備を進めてきたもの
  • お手玉雛づくりを通して、住民間交流、学生と住民の交流を行った。午前、午後と、20名以上の住民の方々が参加された
  • 屋外は非常に寒いため、集会所内で子どもたちとカルタやトランプをした
  • 朝から降った雪が積もっていたため、仮設住宅の周辺の雪かきを行った
  • サプリメントは配布するかどうか、どのように配布するか、仮設担当者と大学スタッフはずいぶんと悩んでいた。もらう側の負担を考えると、今後はより慎重を期す必要がありそうである。個々のニーズに応じた支援の仕方を検討する必要があるだろう(引率感想)

支援物資配布の様子

一体一体個性豊かなおひな様が出来上がった

雪かきは子どもも一緒に行った

【活動終了後の振り返り】
  • 夕食後、リーダー・班リーダー・引率で、翌日活動内容について打ち合わせをし、方針を確定した
  • リーダー会議終了後、全員で初日の振り返りを行った。活動内容ごとに班に分かれ、活動内容の共有、気づき・感想、被災者の方から聞いたこと、困ったこと、明日への抱負などを共有した

2月17日(日)石巻市

《沿岸部の視察》

  • 活動前に沿岸部の視察を行った(門脇地区)
  • 活動前に、黙祷を行いあらためて活動の重要性を確認した
  • 1年前はあちらこちらに、廃墟となった民家が点在しており、お寺の墓石も倒壊したままだったが、今回伺ったときには民家はほとんど撤去され、墓石も修復されていた(引率感想)

門脇小学校の様子

《石巻市仮設住宅 南境第4、5団地》

石巻市仮設住宅 南境団地付近地図
石巻市仮設住宅 南境団地付近地図
  • 第1~7団地において、約750世帯の方が居住されている
  • 集団移転ではなく、様々な地域から集まってできた団地。班長、集会所管理人などが決まり、団地によっては住民主催の交流会が開かれている
  • 仮設住宅周辺に戸建の新築住宅が建ち始めている
南境周辺地図(バージョン02)の各戸配布
  • 2011年11月に南境周辺地図を作成したが、交番や仮設診療所もできるなど、掲載している情報も古くなっている。2012年11月から石巻専修大学の学生、住民有志とともに更新作業を重ねた地図を、南境第1~7団地(約750世帯)、掲載店舗(21店舗)へ石巻専修大学生と一緒に配布した
配布の様子
配布の様子
石巻専修大学生との記念撮影
石巻専修大学生との記念撮影
お手玉雛づくり、子どもと遊ぶ、壁画メンテナンス
  • 名取と同様お手玉雛づくりを行った
  • 第5団地の壁画メンテナンスを行った
  • 第4団地では、有難いことに「温かいお昼ご飯を食べて欲しい」とカレーライスを振る舞ってくださった
お手玉雛作り
おしゃべりも楽しんだ
お手玉雛
ほほえましいおひな様の完成
【活動終了後の振り返り】
  • 現地の銭湯にて入浴後、銭湯の個室にて活動振り返りを活動内容ごとに班に分かれておこなった。その後、各グループから、活動内容の報告を行い、共有した

振り返りの様子

2月18日(月)事後研修会

【学生】

  • おひなさまは成功したが、もうちょっとやり方を考えてもよかった
  • 戸別訪問はチームワークよく協力できた。3月に近く、この寒さの中で地震と津波にあった大変さを実感した
  • 初めての参加だが、反省点を次に生かせるようにしたい
  • 少しずつ復興している印象を持った
  • 視察で、この寒いのに津波被害に遭った状況は想像できず、泣きそうになった。被災者の気持ちを思うと悲しかったが、実際にふれあって心が和らいだ
  • 子どもや住民の集まりが少なかったが、活動を臨機応変に切り替えることができた。物資配布では嫌な顔をされることもあり、今、何を求められているのかという課題を感じた
  • 「神戸学院さんいつもありがとう」と言われ、これまでの活動からのつながりを感じた
  • 視察では、想像以上の被害規模に衝撃を受けた。活動の時間が足りなかったので、今後は時間管理への意識を高めたい
  • 視察で衝撃を受けた。もし自分が地震にあったらと想像すると、何とも言えない気持ちになる。この気持をみんなに伝えることが大切
  • この体験を、就職しても忘れずに関心を持ち続けたい
  • 2011年10月に比べると、住民が温かく迎えてくれる印象を持った。継続的な活動が信頼関係を作ったと実感した
  • 被災時の話を聞いて、どう答えていいのか戸惑った
  • 石巻専修大の学生との交流が有意義だったが、震災の話ではどう答えていいのか戸惑った
  • 集会所で子どもが楽しそうに笑っていたが、そのお母さんから「いまだにテレビの地震速報を見ると、『死にたくない』と言う」と聞かされ、子どもが抱えているものの重さを実感した
  • 視察では、この寒さの中での避難の辛さを実感した
  • 今までバスに乗って、そのたびに「もっと勉強しよう」と思うが実行できていない。今回こそ実行したい。周りに支えられ、自分の活動に専念できた

【引率】

  • 何事もなく帰って来ることができてよかった。たくさん学ぶことができて有意義だった。子どもが少なくてさみしかったが、それがなぜなのか考える必要がある
  • 学生の一生懸命の姿を見て、自分もがんばろうと思った。寒い中地図配りをした後のカレーは、こんなにおいしいものがあるのかと思った

以上