神戸学院大学

東日本大震災等の被災地支援活動

10月5日(金)~10月8日(月・祝) 学生ボランティア派遣 報告書

標記の件、下記のとおり報告いたします。

プログラム名 宮城県災害支援学生ボランティアバス(大学主催)
日程 2012年10月5日(金)~8日(月・祝) 3泊4日(2泊は車中泊)

行程・内容

10月5日(金) (有瀬キャンパスKAC)

15:00 KAC 151F教室集合後、事前研修会
17:30 KAC 15号館前にバス到着、備品等積み込み
18:00 KAC 出発。バスにて宮城県へ。最初のSAでは夕食休憩として長めに休憩。その後は途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊―

10月6日(土)

08:30 沿岸部視察(石巻沿岸部)
09:00 石巻専修大学へ到着、SMILE運動会の準備、リハーサル
17:00 活動終了、後片付け
18:30 松島町フットボールセンター(宮城県宮城郡松島町手樽字大蓬沢13-1)
―就寝前に、振り返り、翌日活動打ち合わせ―

10月7日(日)

6:30 朝食、清掃
7:30 宿泊施設出発
8:15 石巻専修大学到着、準備作業
10:00 SMILE運動会開始
14:30 SMILE運動会終了、後片付け
18:00 現地の銭湯にタクシーにて移動、入浴、活動の振り返り
20:00 銭湯を出発(バスは銭湯の駐車場で待機)
その後神戸へ。途中SAにて2、3時間おきに休憩 ―バス車中泊―

10月8日(月・祝)

9:30 KAC帰着 学生、備品等のおろし
10:00 事後研修会(KAC 151F教室)
11:00 解散

参加者

本学学生19名 運動会実行委員9名、ボランティア団体8名、防災・社会貢献ユニット2名
石巻専修大学学生8名
引率者2名 川口 謙造(神戸学院大学 学生支援グループ 職員)
濵田 真由美(神戸学院大学 社会連携グループ 職員)
現地派遣者1名 四宮 千佳子(神戸学院大学 社会連携グループ コーディネータ)

今回は、石巻専修大学と本学の両大学学生で企画調整を進めてきた「SMILE運動会」を開催した。

【SMILE運動会概要】

プログラム名 SMILE運動会
日時 2012年10月8日 日曜日 10:00~15:00
場所 石巻専修大学 陸上競技場
主催 特定非営利活動法人石巻スポーツ振興サポートセンター
共催 石巻市仮設自治連合会、石巻市、石巻専修大学 山崎ゼミ、神戸学院大学
協賛 石巻専修大学
後援 ラジオ石巻、石巻日日新聞、石巻かほく、石巻災害復興支援協議会、石巻仮設サロン支援連絡会議
参加者 大人(中学生以上)42名、子ども(中学生以下)35名 計77名
特別ゲスト 松野明美様、IBMラグビーフットボールクラブ作田敏哉様、西山淳哉様
目的、コンセプト 石巻市民の方々に、繋がりを持つ場として活用していただき、心身のリフレッシュをしていただくことを目的としている。SMILE(S…Shine M…Memory I…Ishinomaki L…Love E…Every one)をコンセプトに開催した

活動詳細

10月5日(金)事前研修会

  • ガイドブックに沿って、活動や被災地での心構え、活動の注意点、具体的な活動の情報提供
  • 運動会実行委員から活動について説明を行い、担当ごとに分かれて運動会当日の業務についてレクチャーをした
  • 事前研修後、備品の点検を行い、バスへの積み込みを行った

10月6日(土)

  • 会場である石巻専修大学に到着後、石巻専修大学学生とともに打ち合わせ
  • 会場確認、翌日に向けた準備、リハーサル等を行った(写真①)
  • 主にプログラムの進め方、備品の配置の確認、競技補助スタッフの動きの確認を行った
前日の打合せ
リハーサル風景

【活動終了後の振り返り】

  • リハーサルで明らかになったプログラムの課題点を共有し、その改善策について全員で話し合った
  • その後、各班に分かれて、当日の段取りについて確認を行った
振り返りの様子

10月7日(日)

【運動会プログラム】

9:00 受付開始
10:00~10:15 開会式
10:15~10:25 おらほのラジオ体操
10:30~10:50 追っかけ玉入れ
10:55~11:40 障害物競走
11:45~12:30 3人4脚水鉄砲
12:30~13:15 昼休憩
13:15~13:45 綱引き
13:50~14:30 リレー秋の陣
14:30~15:00 閉会式

開会式 10:00~10:15

開会宣言 特定非営利活動法人石巻スポーツ振興サポートセンター代表 松村善行様
ゲスト挨拶 松野明美様
学生挨拶 神戸学院大学 学生代表 宮崎直斗

開会挨拶

松村氏
松野氏
宮崎氏

《おらほのラジオ体操》10:15~10:25

「おらほのラジオ体操」とは、地元の言葉をつかったラジオ体操によって、地域住民の連帯感を高め、コミュニティーづくりのきっかけとなることを目指したもの。趣旨に賛同し、今回おらほのラジオ体操を行った

おらほのラジオ体操

《追っかけ玉入れ》10:30~10:50

全3ゲームを行った。第1ゲームは、それぞれのチームの大人一人が籠を持ち、子どもがサークルの外から玉入れを行う。第2ゲームは学生が籠を持ち、大人がその籠をめがけて玉を入れる。第3ゲームは松野さんが籠役に加わり、子どもがそれを追いかけ、籠にめがけて玉を入れる。松野さんが加わった第3ゲームでは松野さんに子どもたちの人気が集中して、動けない状態になっていた

追っかけ玉入れ

《障害物競走》10:55~11:40

松野さんには、デモンストレーションに参加いただいた。障害物競争は1周を4走者にわけ、ぐるぐるバッド→2人風船割り(第一走者と第二走者)→ブルーシートくぐり→2人縄跳び(第二走者と第三走者)→飴玉さがし→2人3脚(第三走者と第四走者)→借り人競争という順番で競技をしていく。借り人競争は「優しそうな人」や「素敵なひげのある人」といったお題を仕込み、参加者やスタッフから探し、一緒にゴールしてもらった

障害物競走

《3人4脚水鉄砲》11:45~12:30

円の中に3人4脚になった大人(中学生以上)が入り、3人4脚の端の人がポイ(金魚すくいの道具)を肩に取り付けている。円の外からポイをめがけて子どもが水鉄砲を打つという競技。大人たちは3人4脚に苦戦しながら、ポイを破られないように必死に逃げていた。一方、子どもたちは破けていないポイを見つけると集中的に水鉄砲打っていた。水を浴びせられて逃げ惑う大人と楽しそうに水鉄砲を打つ子どもたちの姿が対照的であった

3人4脚水鉄砲

《綱引き》13:15~13:45

午後からは、IBMラグビーフットボールクラブの作田敏哉様、西山淳哉様が運動会に参加くださった。赤対白(3回戦)、子ども対ラグビー選手のお二人、子ども対ラグビー選手のお二人+学生の対決を行った。子ども対ラグビー選手の対決は見事に子どもチームの圧勝であった。次戦では学生も加わったが、大人の健闘むなしく子どもたちの一致団結した力には及ばなかった。 赤・白それぞれの応援団も綱引きの近くで応援し、「オーエス!オーエス!」というかけ声がグランドを揺らした

綱引き

《リレー秋の陣》13:50~14:30

最終種目、全員リレーは赤、白4レーンを使い、全員でバトンを繋ぐ。リレーが始まる前に通り雨が降り、一時は続行が危ぶまれた。しかし、すぐに雨はやみ、地面は濡れてしまったものの続行することができた。全員リレーは最終種目ということもあり、また逆転する可能性もあったため、大変盛り上がった

リレー秋の陣

《閉会式、表彰式》14:30~15:00

表彰式のあと、IBMラグビーフットボールクラブの西山選手より、シドニーオリンピックシンクロ団体銀メダリストの江上様からのメッセージを代読いただいた。「みんながスポーツで元気になって欲しい。スポーツの祭典オリンピック・パラリンピックを日本に招致するために活動をしている。」

そして閉会後には、参加者全員に参加賞をお渡しした。 参加賞として、タオル、2種類のボールペン、神戸の水だより(神戸市民からのメッセージ付き)、手作り写真立てをお渡しした。写真立ては、神戸の学生、東洋大学附属姫路高等学校の生徒により制作した。写真立てには運動会の集合写真をはさみ、お渡しした

綱引きに参加された女性の方から「久しぶりにこんなにはしゃいだよ」という声や、応援してくださっている方から「仮設にいるよりも、広々とした屋外にいる方が気持ちがいい」、競技に参加してくださった女性の方から「東京に住む孫が運動会に出たいと言って、石巻に遊びに来てくれた。年甲斐もなく、私も競技に出てしまったけれど、とても楽しかった」、また、障害物に参加した子どものお母様から「普段運動することがないから、子どもが楽しそうにしているのを見ることができて、とても嬉しい」など、他にもたくさんの温かいお声を、住民の方からいただくことができた

集合写真

【活動終了後の振り返り】

  • リーダー指示のもと、活動を振り返った
  • 多くの反省点、後悔とともに、参加者やパートナー団体に対する感謝の気持ちが述べられた
活動の振り返り

10月8日(月・祝)事後研修会、活動振り返り

  • 事後研修会では、参加学生ひとりひとりから感じたこと、意見等を言葉にしてもらった。以下は学生コメントの抜粋である
  • 実行委員として5月から関わって、うまくいかないことが多くて不安だったが、住民が喜んでくれたので嬉しかった。他団体と関わることが少なかったので、こういう機会に交流できてよかった
  • 7回目だったが、運動会のような大きなプログラムは初めてで不安だった。しかし当日は住民の方の笑顔でみんなも笑顔になれた。反省点はいろいろあるが、人に嫌な思いをさせたり迷惑をかけたことはなかったのではないか
  • みんなにサポートされる中、自分が実行委員をしてよかったのかと思ったけど、終わった後は本当にやってよかったと思った。写真立て作りは、かわいいと言ってもらえて嬉しかった。親世代の方が参加してくれて嬉しかった
  • 副リーダーで、初めてのメンバーとやっていくだけでも大変だったが、それ以外の団体との関わりとなると、すごく難しかった。他団体と連絡が取れない時期もあったし、メンバー間で喧嘩もした。みんなを不安にさせて申し訳ない。当日は受付をしたが、子どもが「全部の競技に出るよ」「勝つよ」などと言ってくれて嬉しかった
  • リーダーをしたが、自分の力不足、経験のなさを実感し、色々なことを学んだ。次に伝えていきたい
  • 自分は人前でしゃべるのが苦手だったが、褒められてびっくりした。もし自分に足りない部分があっても周りがサポートしてくれるという信頼があったので、自信を持って盛り上げられた。最終種目では涙がぼろぼろ出た。運動会は終わったが、お世話になった方にちゃんとお礼をしたい
  • 本番前日のミーティングで、全員が熱く意見を出し合っていたので、圧倒されて何も言えなかった。しかし刺激になり学ぶことが多かった。参加した住民も初めて会う人たちだったが、チームで和気あいあいとされていた
  • 2回目のバスで、前回は企画から参加していたが、今回は当日参加だったので、どうなるかと不安だった。運動会に参加できていい経験だった
  • 2回目の参加だったが、分からないことが多く頼ってばっかりだった。しかし楽しくてよかった
  • 種目補助を担当したが、メンバーが当日会う人で不安だった。そのようななかで信頼しあうことができて、一緒に何かできることに感動した。活動で学んだチームワーク、リーダーシップ、即時対応力は社会に出ても役に立つと思う
  • 最初は不安だった。実行委員がずいぶん前から準備しているのは知っていたが、自分から「何かできることはない?」と言えなかったのが悔しい。当日は初めて会う人が多く心配だったが、前日のミーティングですごい意見が出て、不安がなくなって盛り上げていくという気持ちになった。住民も初めて会う人同士が仲良くなれていた
  • 実行委員らしいことは何もできなかった。準備についても、リハーサルまでに把握できていなかった。でも当日は「ありがとう」と言われて嬉しかった
  • バスの出る前日まで「どうしよう」と不安だった。人見知りの自分にみんなが話しかけてくれたのが嬉しく、気楽になった。小さい子どもと遊んでいる間に、知らない間に自分も楽しめた。最後に商品のお菓子を配る際も、「楽しかった」と言ってもらえた
  • 自分もリーダー経験があるので、リーダーの大変さが分かるからサポートしようと思った。リハーサルでは思うようにいかず、このままではいけないと思ったが、その晩に実行委員がルールを固めてくれ、本番に臨めた。問題解決の連携もよかった。リレーの前に大雨が降った時、「あと10分止まないと中止」とアナウンスしたが、参加者から「えー」というリアクションがあったのが嬉しかった。もっと準備ができていたら、もっとできていたと思う
  • 今回は十分できなかったので、次にもっといいものにするべくチャレンジしたい。学内の所属団体の垣根を越えて、ストレートに生身でぶつかることができた。実行委員も、もっとぶつかり合っていたらと思う
  • 自分は子どもが苦手だったが、一緒にはしゃいでいたら、自分は楽しんでいるんやなって気づいた。ミーティングで意見を言えなかったけど、言えるように成長したい
  • 準備作業していたことが昔のことのように思えた。それだけ4日間充実していた

(引率)

  • 実行委員は苦しかったと思う。他大学と連絡がつかず、思い通りにいかないことが多かった。いくつかの団体が企画に関わり、団体同士の打ち合わせで内容が変わり、それをうまく情報共有できなかった。こうした動きの確認・サポートが十分でなかったのが自分の反省点である。しかし最後までやり切ったことはすごいこと。前日のミーティングでは、団体の垣根を越えて問題点・改善点を出し合えた。こういったイベントは非日常的活動だが、今後に生かせることも多いと思う
  • 実行委員はプレッシャーのなか頑張った。それ以外の役割、特に備品担当がきっちり仕事してくれて助かった。運動会は終わったが、このプロジェクトはこれで終わりではなく、最後にやらなければいけないことを考えてほしい。実行委員は今後どうするのか。学内の各団体は活動で困ったときに助けてくれる組織で、力になっている。今後の支援をどうするか考えていけたらと思う

【その後】

実行委員間では、お世話になった方々への御礼状送付や報告書、写真データの送付を順次進めている。
また、実行委員間においてプロジェクトの振り返り作業が行われている。振り返りの内容を一部抜粋する。

  • 今回の活動での最大の反省点は、情報共有ができていなかったこと。特に今回のように、離れた場所にいる協力者と一緒に進める場合には、情報共有が欠かせない。プロジェクトに関わる人すべてが、情報共有の意識を常に持っておく必要がある
  • 全員が責任感を持って進めていくべきであったと、今回のプロジェクトを通して痛感した
  • 一から企画し進めることの難しさを思い知った
  • より良いプロジェクトとするため、そして協力者と連携を密にするために、実際に現地に赴く機会をもっと持てると良かった

以上